Xを見ていると、簡単に作れて美味しそうなレシピを見かけることがあると思う。
家にあるものだけでも作れそうだったり、ちょっと買い足すだけでも作れそうなものもあったりと、思わず喉が鳴ってしまうような、食べたくなってしまうような美味しそうなやつだ。
ドスケベゲームばかりしている僕にもそういう感情があるわけで、せっかくなので自分なりに、できるだけ買い足さずに、作っていくことにした。それがX実践部である。Xで流れてくるメニューを実践していくのだ。
基本的には美味しそうなレシピを対象にするつもりだが、食べ物以外にも何か気になることがあればやっていきたい。全部ひっくるめてX実践部とする。
— はらぺこグリズリー@レシピ本大賞受賞 (@cheap_yummy) March 7, 2026
記念すべき第一回は「はらぺこグリズリーさん(@cheap_yummy)」の牛乳プリンを作っていく。
ある時に見かけて「簡単でおいしそう!」と思い、多くの人が引用ポストで簡単でおいしいと言っていた。期待でいっぱいなのである。
作り方を簡単にまとめると
- ゼラチンと水を混ぜておく…①
- 牛乳と砂糖とはちみつと塩を混ぜて熱する…②
- ②に①を混ぜる
- 粗熱を取って冷やして完成!
混ぜて、熱して、冷やすだけとすごく簡単だ。これでおいしいプリンが食べられると思うとかなりお得感がある。
ただ、ゼラチンが一般家庭にあるかどうかが疑問だ。幸い、僕はお菓子を作ることもあったので、ハンドミキサーやら計量器やらお菓子つくりに必要なものが意外とある。ほら、今も家にちゃんとゼラチンが………

寒天だわ、これ。
ゼラチンと似て非なるもの・寒天!カレーライスとハヤシライスくらい違う!「おいしいナン買ったからカレーパーティーしようぜ!」ってなって出てきたハヤシライスくらいの絶望感がある。だいぶ違うぞ、これ。
とはいえゼラチンも寒天も固めるものには違いはないし、できるだけ買い足さずに実践していくのがX実践部なので今回は寒天でいく。レシピは大絶賛されているものだし、これで失敗しても全責任は僕にある。
ちなみにゼラチンはプリンやババロアなどを作る時に用いられ、寒天は羊羹やあんみつなどを作る時に用いられる。硬さ的にはプルルン!とプルルン!くらいの違いがある。

そんな寒天を水に溶かしていく。
レシピにはゼラチン5gと水30gとあるが、寒天5gと水30gで作っていく。よく見たら37gなんだけど、この時点で失敗しそうだ。
ちなみに、混ぜた後に調べたのだが、ゼラチンと寒天の固める力って同程度じゃないらしい。寒天の方が3倍くらい固める力が強いらしい。この時点で失敗の予感がプンプンしている。作っている時点の僕は知る由もないので、この時点ではワクワク感でたっぷりである。

次は牛乳に砂糖・はちみつ・塩を混ぜて温めていく。
レシピには牛乳400ml、砂糖30g、はちみつ小さじ一杯、塩3つぶとあり、牛乳は400mlをしっかり計って入れていく。牛乳はな。
僕の家には砂糖がなく、砂糖より甘さ控えめかつ代謝されない「エリストール」という甘味料しかない。とても一人暮らしの台所にあるとは思えない調味料だ。家にプロジェクターあるんだけど来る?くらいのテンションで、家にエリストールあるんだけど来る?って一度は言ってみたい。

牛乳と砂糖的なものを入れたので次ははちみつだ。
はちみつは小さじ一杯入れるのだが、はちみつってねっとりしてるじゃん?小さじにねっとり張り付いた分は含めるの?それともねっとり張り付かない分だけで小さじ一杯分なの?どっちなの?小さじ一杯分は計れたけどこれは合ってるの?
ここまでゼラチンと寒天の差も気にしてなかったのに、急にはちみつの量で不安になってくる。

逆に塩の分量はまるで気にならない。
レシピには塩3つぶとあるが、牛乳400mlに塩3つぶの影響をまるで信じていない。海にコンソメを溶かしたらコンソメスープになるか?ならんだろという考えに基づき、塩3つぶへの信頼がまるでない。たとえ唐辛子パウダー3つぶを入れても影響ないと思っている。
だから適度に入れていく、塩100つぶはありそうだ。料理素人がゼラチンを寒天に変え、はちみつ量に不安を覚え、塩を増量したらどうなるのか見ものだ。

これで後は冷やしていくだけ!
ゼラチンを寒天にした時点で牛乳プリンではなく牛乳羊羹ができそうではあるが、僕はこのレシピを信じている。まるでレシピを守ってないのにこの言い分でいく。
粗熱がある程度とれたら冷蔵庫で数時間冷やしていく、どんな出来上がりになるのか楽しみだ。
そして数時間後、冷蔵庫から取り出し、スプーンで触ってみると………………

随分とトロトロだ!
フルーチェと比べても随分柔らかい!液体か個体に分類するならどちらかというと液体よりだ!想っていた以上にトロトロ!
寒天の方が凝固させる力が強いのに、なぜこんなにトロトロなんだろうか?科学のルールに反した牛乳プリンが生まれたんだけど?怖くなってきた。
ルールを無視した不思議牛乳プリンができたわけだが、とにもかくにも実食!食べてみよう!
……………………底に半固形になった寒天が溜まってる。ドロドロで味がないオブラートがあるみたい……。牛乳プリンの味は優しい甘さがあっておいしいんだけど、半固形の寒天の触感が最悪だ。
調べてみると寒天は沸騰させた液体に溶かさないと凝固しないらしい。このレシピでは沸騰手前で火を止める手順だったので、最悪のかみ合い方をしたみたいだ。
つまり、第1回X実践部は素人が勝手に材料と分量を変えた結果、最悪の結末となった。あまりにもひどい結果すぎて、X実践部を諦めようかと思ってしまう。

でも僕は諦めない。
失敗の原因が寒天を使ったこと・寒天の分量を増やしたこと・沸騰させてなかったことにあり、全ては寒天に起因している。凝固させる役割であるゼラチンを寒天に勝手に変えているのだから当然だ。それでも寒天を使うことを諦めない。だってX実践部は家にあるもの、できるだけ買い足さないというルールがあるのだから。
寒天の量を減らして、ちゃんと沸騰させることで、牛乳プリンはしっかり固まったように見える。いざ!スプーンで触って確認d

プリンか?これ?
カチカチなんだけど?プリンがスケボー選手みたいに斜面を華麗に滑っていくんだけど?遊園地のバイキングみたい角度になったプリン見たことあるか?
あまりにも固い!プルプル感のあるプリンじゃない!プッチンしてもプルンっ!とか言わなさそう!ドスンっ!って言いそう!

プッチンしても変わらぬ存在感!
本来のプリンは器に支えられるかよわい存在!プッチンしたらプルプルボディは横に広がってしまう!しかし寒天牛乳プリンの存在感は何も変わらない!この硬さゆえに我ありという信念を感じる!
スプーンを入れてみてもスッ……と入ることはない!何者を受け付けないという意思を感じる!およそプリンというには固すぎる!友達に投げつけたら怒られそう!それはプリンでも同じか。

味は優しい甘さなのは変わらずなので、キウイソースでちょっと味付けしてみた。甘くておいしい。
そんなことよりも、とてもプリンの断面とは思えない。プリンの断面って普通滑らかなはずなのに、まるで岩肌かと思う断面だ。こんな鋭角になった断面、プリンで見たことねぇよ。
とはいえ、味的にはきっと、恐らく、多分、レシピ通りだ。
専門家が作ったレシピとは完成されたものであり、そこに素人が手を出すと恐ろしい結果になるということが分かったと思う。プリンの固さを決める凝固剤を勝手に変えてるんだから当然と言えば当然だ。
この失敗を胸に、これからもX実践部は活動を続けていこうと思う。失敗は成功の母というしな、生み出される失敗はたまったもんじゃないだろうけど。


